脳内麻薬。
日本では、死亡する場所の80%近くが病院となっています。
しかし、1950年頃までは病院で死を迎える人は10%程度でした。
近年の医学の進歩は著しく、大病でも根治ができる治療が増えてきています。
そのおかげもあり、病院で最期を迎える人が増えてきているのかもしれません。
また、家族からすれば身内であればあるほど苦しい死に方は嫌だ、楽に最後を迎えてほしいと思い病院を選びます。
では、死ぬほどの苦しみとはどれくらい苦しいのでしょうか。
病院以外の場所で死ぬことは、そんなに苦しいのか・・・?
私自身の考えですが、延命治療をしないほうが、
お そ ら く
それほどの苦しみは感じていないと思っています。
私自身も歳をとって最期を迎える時に家族に囲まれて死を迎えたいです。
人は死が近づくと、呼吸が不規則になり酸素不足になります。
この酸素が不足することで脳から「エンドルフィン」という多幸感をもたらす脳内の神経伝達物質が多量に分泌されます。これは、天然のモルヒネのようなものです。
この物質が出ることで、眠った状態になり苦しむことなく最期を迎えるのです。
このエンドルフィンは、そういった状況下で分泌されるため、仮に苦しい・苦しそうだからと言って酸素投与をすれば、それにより分泌が抑制され、苦痛が強くなるという論文もあります。
同じように、食事が口から摂取できなくなると点滴をして水分を補給したいと思うこともあるかもしれません。
点滴は水分なのでそれが水分過剰になり色々な部位が浮腫み、肺の中にも水が溜まり溺れた状態になり逆効果となる可能性もあります。
さまざまなケースがありますので、一概には言えませんが、死が目前に迫った状態では、何もせず自然な形で看取ることが一番楽な方法なのかもしれません。
自分が死を迎える場所はどこなのか?延命治療を望むのか?など、それぞれのメリットやデメリットを考え、「人生会議」を家族でしっかりと行い、話し合いをしていくことはとても大切なことだと思います。